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[ 転職のケースNo.2 ] 専門職からアーティストへの転職のケース

A子さん、歯科衛生士、26歳、女性

ある地方都市の歯科医院に勤務しているA子さんは、この1年自分に合っている職業なのかと不安を持ち始めました。
医師から本当にミスが多いと注意されることが多くなり、患者さんの処置を任されると手が震えるようになる状態です。
自分の技術に自信が持てなくなってきました。

特に月曜日は遅刻が多くなり、休んでしまいます。
休んだ翌日は同僚の衛生士から土日遊び過ぎているんじゃないかとイヤミを言われます。
日頃から今付き合っている彼はどんな彼なのかとか、洋服はどこで買っているのかと聞かれ、うんざりしていました。
挙句の果てには、医師と仲良すぎるんじゃないの?と不倫まがいの疑いをかけられていたのです。

自宅に帰ると、自宅に閉じこもり深夜までラジオを聴き、朝方に寝る日が続いていました。
そんなA子さんの状態を心配した母から当所に電話があり、二人で来所されました。

A子さんの印象

A子さんの第一印象は、目鼻立ちがはっきりしていて、色白でスタイルも良く、モデルのようでした。
目線を合わせることもなくこちらの質問に淡々と答えるだけで、億劫そうな様子です。
そこで、お母さんに離席していただき、A子さんと二人で面談をしました。

歯科衛生士の専門学校へ入学した動機は手に職をつけるようにという母の勧めがあったからです。
自分でも特に具体的な将来の希望もなく、いつか結婚し、子供は2人位で平凡な主婦に落ち着くんだろうという漠然としたものでした。
子育てが一段落したらどこかの歯科医院で働くのもいいかなと考えていました。

専門学校時代から目立つA子さんは、ミス〇〇に選出されたりするほどですから、皆から注目され、ある意味特別扱いを受けていました。
しかし、その分嫉妬も受けており、綺麗だけど間が抜けているとか、常識がないとか、ストレートにいわれ傷ついた経験もあったのです。
普通ではない華やかな容貌を持ってしまった自分を恨んだこともありました。
なるべく目立たない洋服を着たりしますが、逆にお高く留まっているといわれたり、A子さんへの攻撃は続きました。

A子さんへのいやがらせ

なんとか専門学校を卒業し、市内で一番大きな歯科医院に就職しました。
ある日、30代の男性の患者さんが治療後に「お礼にお食事にお誘いしたいのですが、いつが空いていますか?」と半ば強引な口調で突然伝えてきました。
A子さんは「患者様からのお誘いは全てお断りしておりますので、申し訳ございません」と断りました。
医師もこの様子を見ていて、きちっと断ってくれてありがとうと感謝されました。
戸惑っていたA子さんも一安心で、先輩のB子さんと帰路につきました。

しかし、帰り道に先ほどの患者さんが突然目の前に現れました。
「先ほどは失礼な言い方をしてしまい申し訳ない」といいつつ、「同僚の方も一緒に三人で食事をしませんか?」と誘ってきました。
困ったA子さんにB子さんは「仕方がないよ。断ったらあとで問題になるより、ここは誘いに乗ろうよ」と言われ、先輩がついているからと納得し、渋々、市内の高級レストランに行くことになりました。

患者の男性は、父から譲り受けた会社を経営しており、資金のこと、従業員のことなど一方的に話をしてきました。
何とか相槌を打ちながら時間を過ごし、お礼を言ってB子さんと外へ逃げるように出ました。

数日後、医師から昼休みに話があるので院長室まで来るようにといわれました。
部屋に入ると医師から、「患者さんと食事はしないと断っておきながら、一緒に食事をとったそうじゃないか!!B子さんも仕方が無く着いて行ったそうだが、迷惑だといっていたぞ。
こちらも患者さんに謝らなくてはならないんだ。
だいたい男性にちやほやされて調子に乗っているんじゃないのか?今後は気を付けなさい!」といわれました。

A子さんはB子さんが医師に報告したことを知り、愕然としました。
確かに断るべきだったが、先輩のB子さんが守ってくれるので何の問題もないと安心していたのです。
こんな事件があってから先輩、同僚の女性達からの嫌がらせや、妙な質問を浴びせられていたのです。

転職するまでの経緯

A子さんはこの職場で働くのか、また、別の医院で働き続けるのが良いのかカウンセリングをしました。
歯科衛生士を続けていくほどの意欲は無く、その後退職をしました。

退職後のカウンセリングはA子さんが本当に好きなことを見つけ、情熱を持てるものがないかという課題に集中して話を進めていきました。
A子さんが夜遅くまで眠れず、音楽を聴いていたのは小さい頃から歌が好きで歌手になりたかったという夢があったためで、好きな歌手の歌を聞き職場でのストレスを解消していました。
20歳の時、友人の結婚式で歌を披露した時に周囲の人達はA子さんの歌声に感動し、涙を流した人たちが大勢いたのです。
その日から歌手になりたい、という想いが強くなりました。
A子さんに歌手になるために具体的なことを考えているのか質問をすると、東京に出て有名なボイストレーナーに訓練を受けライブで歌ったり、オーディションを受けたりしているということでした。

まずはその夢を叶えるために、母親を説得することから始めました。
家族の猛反対がありましたが、歯科衛生士を辞め、歌手になるというA子さんの熱い思いは家族にも届き、許しが出ました。
特に母親は、医院でのA子さんが体験していた辛い思いを聞き、A子さんの一番の理解者になってくれました。

夢を現実に

歯科衛生士の仕事を辞め、昼はファッションメーカーの受付の仕事をこなし、昼休みはカラオケルームで練習をし、土日はボイストレーニングを受けています。
月に一回は、都内のライブスタジオで歌い、オーディションを受け、とても充実した毎日を過ごしています。
そしてある日、勤務先の専務から、A子さんのセンスの良さにデザイナーの勉強をしてみないか、と勧められました。
歌の勉強も並行してやってみることは今のA子さんにとって成長できることだから、と背中を押してくれました。

持って生まれた自分の才能がようやく形になって見えてくるようになりました。
A子さんが歯科衛生士に固執して悩むより、自分の好きな道に進んでいく行動力と勇気が明るい未来をつかんだようです。

人は好きな道を進み始めると、苦労や悩みも乗り越えることができます。
時は限られていますから、若い時の行動力は先の人生の幸せを保障するのかも知れません。
自分が自分らしくなるためには、世間体や常識に縛られることよりも、自分の個性を信じることです。
そこには誰とも比較されない自分がいて、豊かな人生が待っています。

A子さんは初めてのレコーディングに向けての今日と言う日を精一杯生きています。

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